論文を書くときのお気持ち

論文をはじめ、ちゃんとした文章を書こうとしたとき、まだ完璧でないからと足踏みすることが多々ある。けど結局、とにかく書き始めたほうがいい結果につながることが経験上多い。 このことに関するコラムが、The craft of researchという本にある。 以下自分の解釈

原稿をできるだけ早く書き始めろ。

たいてい締切というのはすぐに来る。 研究者の中には、今考えていることが完璧になるまで、きりよく終えることはできないと考えている人もいる。そのように考えていると、いつまで立っても原稿に着手できず、結果研究が終わることはない。 限られた時間内で、できるだけ研究を仕上げるという意識があればよい。 そして時間が来たら、次のように考えれば良い。

論文の読者の皆さん、私が精一杯頑張った結果、私が信じていることは以下の結果のようになります。私の結果が、読むに値する、または、さらなる研究をするのに値する結果であることををサポートするために、時間の許す限り裏付けを行いました。これは完璧な真実ではないけど、少なくとも私にとっては重要な結果です。そして、あなたにとってもそうであれば幸いです。

論文の読み方及びまとめ方

論文の読み方

1回目の読み流し

  • タイトル、アブスト、イントロをちゃんと読む。
  • セクション及びサブセクションの見出しを読む。その際それ以外の部分は無視する。
  • 数式をざっと見渡して、理論的な部分の雰囲気をつかむ。
  • 結論を読む。
  • 引用をざっと読む。その際、読んだものなどあればチェックする。

この作業のあと、次の質問に答えられるはず:

  • 論文はどのカテゴリに属するか?
  • どんな論文が関係あるか?
  • 論文の内容は正しそうか?
  • メインの貢献はなにか?
  • よく書かれた論文か?

これらの質問の答えによって、次のステップに進めるに値する論文かを判断すればよい。 ついでに、逆に言えば、自分が論文を書くときには、査読者はこの1stステップのように論文を読み判断を下すと考えて良い。査読者がこのように読み流し、概要をつかめなかったらリジェクトされる可能性大。

2回目の読み流し

  • 図をちゃんと見る。グラフなどを特に注意して見る。
  • 読んでいない、次に読むべき参考文献をチェックする。

ベテラン研究者で、2回目の読み流しはだいたい一時間くらいかかる。 この後、次のことができるようなることが期待される。 * 論文の内容を要約できる * 他人向けに、論文の主旨(1番いいたいこと)を根拠と共にまとめられる

2回目の読み流し後でも完全にわからないこともある。

3回目の読み流し

細部まで理解するとき、レビュワーのときなどは、3回目も読む必要がある。 仮想的に、自分で論文を再実装する気持ちで読む。 その際、自分の考えた再実装と、実際の論文の内容の違いを意識しながら読む。こうすると 論文の新しいところや、間違いなどに気が付きやすくなる。その際、新しいアイデアなどを書き下すことが期待される。 初心者には数時間以上かかり、ベテラン研究者でも1−2時間かかる。この作業の最後に、記憶から論文全体を再構築できる必要がある。特に、暗黙の前提や触れられていない関連研究、実験や理論のミスなどが挙げられる必要がある。

Evernoteテンプレート(仮)

上記の読み方ができるようなEvernoteTemplate。 使いながら随時更新。